○谷口佐一

谷口佐一翁は大正5年八木村(現南あわじ市)の農家に生まれ、幼少の頃より乳牛に馴染み、青年期には村の行政に携わる一方、酪農振興への情熱を燃やした。
44歳にして田中萬米翁の後を受け三原郡酪農協組合長に就任されるや、事務所、飼料配合工場の移転新築、引き続き販売の拠点、牛乳工場を巨額の国庫補助を受けて完成、昭和53年には淡路島牛乳の製造販売を始めた。
さらに改良増殖のメッカ、乳牛改良センターを開設し、数次に亘り世界超一流の種牡牛を輸入した。このような画期的大事業の遂行とその成果は、淡路島の酪農の礎をなしている。

翁はまた県酪連会長、日本ホルスタイン登録協会長などの要職につき、貢献するところ極めて大きく、昭和56年には藍綬褒章を、61年には従五位勲四等瑞宝章を授与された。生涯を酪農一途にかけた不屈の信念、卓越した指導力、私事を省みない実行力とその業績は正に淡路島の誇りであり、その恩恵は永遠に不滅である。

【略歴】
大正5年11月21日、三原郡三原町(現南あわじ市)八木天野大久保675に生まれる。
八木村収入役(昭和22年)
三原郡酪農協設立発起人・監事(23年)
八木村助役(25年~30年)
三原郡酪農協理事(26年~30年)
同組合長(36年~61年3月)
県酪連理事(36年~47年)
同副会長(47年~52年)
同会長(52年~61年)
日本ホルスタイン登録協会副会長(48年~54年)
同会長(54年~59年)
全酪連理事(52年~61年)
中央酪農会議理事(52年~56年)
飲用牛乳消費拡大近畿地区協議会長(52年~61年)
全国牛乳普及協会理事(53年~55年)
県牛乳普及協会長(54年~59年)
家畜改良事業団理事(55年~59年)
昭和61年3月16日没(69歳4か月)

【受賞歴】
県知事表彰・畜産功労(42年)
大臣表彰・同(49年)
全酪連会長表彰・永年勤続(51年)
農林水産大臣感謝状・乳牛登録、改良事業功労(53年)
藍綬褒章・畜産功労(56年)
従五位勲四等瑞宝章・同(61年)
頌徳銅像建立(63年)

昭和63年3月吉日
谷口佐一翁頌徳銅像建立委員会
(建立委員会の会長は高島照治日本ホルスタイン登録協会長が務めた)